1.溶接材料
ステンレス鋼・炭素鋼と組合わせるステンレス鋼溶接材料一覧(推奨例)を,以下に示す。認定材料は、実工事の適用に当たり,国土交通大臣の認定を確認する必要がある。また,Bで始まる溶接材料は,ステンレス構造建築協会規格SSBS
201「建築構造用ステンレス鋼溶接材料」を示し,耐力値も規定している。
■共金継手(ステンレス鋼−ステンレス鋼)
鋼材 |
種別 |
被覆アーク
溶接棒 |
フラックス
入り
ワイヤ |
溶加棒
および
ソリッドワイヤ |
サブマージ
アーク溶接
ワイヤ |
SUS304A
SCS13AA-CF |
SUS304A
SCS13AA-CF |
指定材料 |
ES308
(BD308)
ES309Mo
(BD309Mo) |
TS308
(BYF308)
TS309Mo
(BYF309Mo) |
− |
YWS308
(BS308) |
認定材料 |
BD308L
BD309MoL |
BYF308L
BYF309MoL |
BY308
BY308L
BY309Mo
BY309MoL |
|
SUS316A |
SUS316A |
指定材料 |
ES316
(BD316)
ES309Mo
(BD309Mo) |
TS316
(BYF316)
TS309Mo
(BYF309Mo) |
− |
YWS316
(BS316) |
認定材料 |
BD316L
BD309MoL |
BYF316L
BYF309MoL |
BY316
BY316L
BY309Mo
BY309MoL |
|
SUS304N2A |
SUS304N2A |
指定材料 |
− |
− |
− |
− |
認定材料 |
BD308N2 |
BYF308N2 |
BY308N2 |
BS308N2 |
注: |
使用する材料は、通常母材と同一成分系の溶接材料を使用する。しかし、一般的に309Moまたは309MoL系溶接材料は、308系および316系溶接材料より強度が高いことから、必要な場合は309Moまたは309MoL系溶接材料を選定することができる。 |
■異材継手(ステンレス鋼−ステンレス鋼)
鋼材 |
種別 |
被覆アーク
溶接棒 |
フラックス
入り
ワイヤ |
溶加棒
および
ソリッドワイヤ |
サブマージ
アーク溶接
ワイヤ |
SUS304A
SCS13AA-CF |
SUS316A |
指定材料 |
ES308
(BD308) |
TS308
(BYF308) |
− |
YWS308
(BS308) |
認定材料 |
BD308L |
BYF308L |
BY308
BY308L |
|
SUS304A
SCS13AA-CF |
SUS304N2A |
指定材料 |
ES308
(BD308)
ES309Mo
(BD309Mo) |
TS308
(BYF308)
TS309Mo
(BYF309Mo) |
− |
YWS308
(BS308) |
認定材料 |
BD308L
BD309MoL |
BYF308L
BYF309MoL |
BY308
BY308L
BY309Mo
BY309MoL |
|
SUS316A |
SUS304N2A |
指定材料 |
ES316
(BD316)
ES309Mo
(BD309Mo) |
TS316
(BYF316)
TS309Mo
(BYF309Mo) |
− |
YWS316
(BS316) |
認定材料 |
BD316L
BD309MoL |
BYF316L
BYF309MoL |
BY316
BY316L
BY309Mo
BY309MoL
|
|
注: |
使用する材料は、通常母材と同一成分系の溶接材料を使用する。しかし、一般的に309Moまたは309MoL系溶接材料は、308系および316系溶接材料より強度が高いことから、必要な場合は309Moまたは309MoL系溶接材料を選定することができる。 |
■異材継手(ステンレス鋼−炭素鋼)
鋼材 |
種別 |
被覆アーク
溶接棒 |
フラックス
入り
ワイヤ |
溶加棒
および
ソリッドワイヤ |
サブマージ
アーク溶接
ワイヤ |
SUS304A
SCS13AA-CF |
400N級
490N級 |
指定材料 |
ES309
(BD309)
ES309Mo
(BD309Mo) |
TS309
(BYF309)
TS309Mo
(BYF309Mo) |
− |
YWS309
(BS309) |
認定材料 |
BD309L
BD309MoL |
BYF309L
BYF309MoL |
BY309
BY309L
BY309Mo
BY309MoL |
|
SUS316A |
400N級
490N級 |
指定材料 |
ES309
(BD309)
ES309Mo
(BD309Mo) |
TS309
(BYF309)
TS309Mo
(BYF309Mo) |
− |
YWS309
(BS309) |
認定材料 |
BD309L
BD309MoL |
BYF309L
BYF309MoL |
BY309
BY309L
BY309Mo
BY309MoL |
|
SUS304N2A |
400N級
490N級 |
指定材料 |
ES309Mo
(BD309Mo)
ES309
(BD309) |
TS309Mo
(BYF309Mo)
TS309
(BYF309) |
− |
− |
認定材料 |
BD309MoL
BD309L |
BYF309MoL
BYF309L |
BY309Mo
BY309MoL
BY309
BY309L |
|
注: |
使用する材料は通常390系の溶接材料を使用する。しかし、上記と同様な理由で309Moまたは309MoL系溶接材料を使用することが出来る。また、SUS304N2A鋼との異材継手の場合は、高窒素母材より窒素の侵入や、継手としての強度特性を考慮すると309系溶接材料よりも309Moまたは309MoL系溶接材料を使用するほうが望ましい。 |
|
309系のサブマージアーク溶接材料を使用する場合、母材の希釈が大きくなりやすいため、施工条件の選定には十分な検討が必要である。 |
■ステンレス鋼溶接材料一覧(規格との対応表)・・・PDF
2.ステンレス建築構造溶接部の超音波探傷
ステンレス建築構造溶接部の超音波探傷に関しては、(社)ステンレス構造建築協会規格SSBS
401「ステンレス建築構造溶接部の超音波探傷検査基準」(平成16年12月14日制定)を参照されたい。
なお、RB-S対比試験片については、(一社)日本鋼構造協会で準備しており、注文いただければ、対応します。