ステンレスには、様々な表面仕上げを施すことができます。一般に、表面が滑らかになるほどさびにくくなる傾向があります。

区分 仕上げ名称 表面仕上げの状態 表面仕上げの方法 留意点等
圧延 No.1 白色で光沢が無い 熱間圧延後、熱処理、酸洗、またはこれに準ずる熱処理を施したもの ●表面に素材の仕上がりむらが出やすい
●汚れが表面に付着し易く、除去が困難
研磨 HL
(ヘアーライン)
長く連続した研磨目を持った仕上げ 適当な粒度(通常150〜240番)の研磨ベルトで長く連続した研磨目をつけたもの ●加工疵の補修が容易
●発銹し易い
#400 BAに近い光沢 400番パフにより研磨仕上げしたもの ●加工疵の補修がやや容易
●やや発銹しにくい
バイブレーション 無方向性ヘアーライン研磨仕上げ 多軸水平研磨により、無方向性ヘアーライン研磨仕上げをしたもの ●最も疵が目立ち難い
●加工疵の補修が容易
No.8
(鏡面)
最も反射率の高い鏡面仕上げ(研磨目無し) 順々に細かい粒度の研磨剤で研磨した後、研磨用パフにより研磨したもの ●加工疵の補修が難しい
●発銹しにくく、メンテナンスも容易
ブラスト ショットブラスト ダル調の銀発色仕上げ アルミナ等のショットを鋼材表面に高圧空気で吹き付け仕上げたもの ●素材表面の仕上げムラを軽減できる
●汚れが表面に付着し易く、除去が困難
ビーズブラスト やや光沢のあるダル調の銀発色仕上げ ガラス等のビーズを鋼材表面に吹き付け仕上げたもの ●素材表面の仕上げムラを軽減できる
●汚れがつきにくく、除去も容易
着色 化学発色 数種の色調が得られ、密着性耐候性が良好 化学的あるいは電気化学的に発色したもの ●溶接が困難でかつ溶接部が変色する
●疵の補修が難しい
塗装 数種の色調が得られ、加工コストが安い フッ素、シリポリ、ポリエステル等の合成樹脂系塗料を塗装、又は焼付け塗装したもの ●塗装の仕方で塗膜の耐候性に難あり
*JIS規格