Q&A

材料
Q1 一般にSUS304、SUS316、SUS304N2という規格を目にしますが、これらとSUS304A、SUS316A、SUS304N2Aとは何が違うのですか?
SUS304A、SUS316A、SUS304N2Aは、従来からのSUS304、SUS316、SUS304N2に、建築構造材として必要となる性能を規定した鋼材であり、2000年にJIS G4321「建築構造用ステンレス鋼材」としてJIS規格化されました。
具体的な機械的性質に関する違いは、以下の通りです。
規  格 降伏点
引張強さ
(N/mm2)

降伏比

伸び
(%)
0.1%オフセット耐力
(N/mm2)
0.1%オフセット耐力
(N/mm2)
SUS304A

SUS304
235以上

規定なし
規定なし

205以上
520以上

520以上
60以下

規定なし
35以上

40以上
SUS304N2A

SUS304N2
325以上

規定なし
規定なし

345以上
690以上

690以上
60以下

規定なし
35以上

35以上
※ただし、JIS G 4316(機械構造用ステンレス鋼鋼管)では35以上

建築基準法に於いては、SUS304、SUS316、SUS304N2は指定材料となっていないため建築構造材として使用できませんので、ご注意下さい。

構造計算
Q1 ステンレス鋼の構造計算は、一般の炭素鋼とどう違うのですか。
ステンレス鋼と、一般の炭素鋼の構造計算の代表的な違いは以下の通りです。
比重 一般鋼の比重は7.85t/mに対し、ステンレス鋼ではSUS304Aで7.93t/mとなり、また、鋼種により異なります。鉄骨自重の計算ではご注意下さい。
ヤング率 一般鋼のヤング率は2.05×105N/mm2に対し、ステンレス鋼ではSUS304Aで1.93×105N/mm2となり、また、鋼種により異なります。
全鋼種について一般鋼より低く、変形が大きくなりますのでご注意下さい。
せん断
弾性係数
一般鋼のせん断弾性係数は7.90×10N/mm2に対し、ステンレス鋼ではSUS304Aで7.40×10N/mm2となり、また、鋼種により異なります。
耐力 ステンレス鋼の部材や接合部耐力は、一般鋼と異なります。厚板では、「ステンレス建築構造設計基準・同解説」、薄板では「軽量ステンレス構造デザインマニュアル」をご参照下さい。
Q2 ステンレス鋼に対応した一貫設計プログラムはありますか。
一貫構造計算プログラム「BUS−3]が褐囃zピボット殿から提供されています。
(本プログラムについて、当協会が保証するものでは有りません。)
Q3 ステンレス鋼角形鋼管のRは、一般の炭素鋼と同じ程度ですか。
ステンレス鋼角形鋼管では、肉厚8mm未満の場合2.5t、8mm以上25mm未満の場合3.0tとなっています。また、軽量角形鋼管では異なりますので、ご注意下さい。